井 戸 掘 り 平成28年5月15日(日) |
本日は、東小松川2丁目にお住いの大野勝彦さんに「井戸掘り」のお話をお聞きしました。大野さんは現在は退職されて毎日、何かといそがしく過ごしながら当町会の会計を担当しております。 井戸掘りをするきっかけは、インターネットで井戸掘りのサイトを見て興味がわき、健康に良いし庭の樹木の水やりに使えると思い始めたそうです。 |
ネットで調べ、道具は自作、掘り方は「上総掘り」と言う自力での作業です。ネットによると掘削用の塩ビパイプは50~65ミリの径で掘るのが一般的なのですが大野さんは125ミリの太径で始めました。さすがに太径で掘るにはかなりの体力を消耗します。幾日か掛けて数メートル掘り、疲れたので2~3日休むと掘った穴が土圧で半分位埋まってしまい非常にがっかりしたそうです。毎日作業をするのではなく、疲れたら休み、又、気が向いた時に掘るので掘っては埋まり、掘っては埋まりの繰り返しだったそうです。 | ||
1本目は作業前に5メートル程掘った穴をのぞいたら何か動く物が見え、ネズミか仔猫が落ちたのかと思ったが今思うと多分、泰山木の葉のようでしたが縁起が悪いので埋めてしまいました。 2本目は10メートル掘ったところで掘削パイプが上がらなくなり、土が崩落したようで何としても上がらなかったそうです。そこでチェーンブロックを使って引き揚げようとしたら掘削パイプが断裂してしまい泣く泣く2本目も断念。 |
3本目は順調に作業は進みましたが、やはり自力(人力)だけでは大変なのでやぐらを組み電動ウインチを取り付け、作業を行いました。市販のウインチでは上手くいかないのでそこは元機械関係の仕事をしていたので巻くだけのウインチにクラッチを付けて、巻き上げた掘削パイプを一気に落とすように改良しました。自力掘りより数段効率良く掘り進みました。しかし穴が深くなると水の抵抗が強く思うように掘れません。結局、又、自力で掘ったそうです。 下の作業風景の画像は昨年の秋撮影。(画像提供:大野さん) |
そして13メートル掘ったところできれいな水が出ました。この辺りは2メートル掘れば水が出ますが泥水だそうです。水質検査を受けてないので飲用はできませんが樹木の水やりに使うのは問題ありません。江戸川区の辺りは都心部の上下水の溜まり水で、飲める水は50メートル程掘らないと出ないそうです。 毎日やればもっと早くできたが休み休み、気が向いた時の作業なので3年かかってしまったが「水が出た時の達成感はかなりのものでした」とおっしゃっていました。井戸掘りにかかった費用は、井戸掘り業者に依頼したほうが安いと笑っていました。 |
掘った深さで土の成分が変わるそうです。 5メートル・・・葦のような繊維質の土。 7メートル・・・黒い木片(焼けた感じ) 軽石の様な物が出土。 8メートル・・・貝殻(カキの砕けたような物) もっと浅い層でアサリやハマグリが出ると思っていた。 7~13メートル・・・シルトという粒子の細かい砂でした。庭にまくと雑草が生えにくい。 掘った深さと穴径の割には大量の土が出たそうです。多分崩落した土がかなりあったのではないかと思います。 |
独学でそして手掘り(一部機械掘り)、家族や井戸掘りを知っているご近所さんの手前、途中で止めることができないとは言え本当に根性がないとできません。恐れ入りました。井戸は孫子の代まで受け継がれ重宝するでしょう。良く頑張りました。拍手!! 大野さんの庭には梅、松、柚子、槇や他、多くの木や花があり良く手入れをしています。庭の無い私はとてもうらやましく思います。家庭菜園ではエシャロットを作っており、お土産に頂いてしまいました。ありがとうございました。 |
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